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会社が破産するときの手続の流れ|申立前に代表者が知っておくべきこと

今後実際に破産をするかどうかにかかわらず、会社経営者としては破産手続について知っておくことが望ましいです。行き詰ってどうしようもなくなってから制度を調べ始めるのと、前もって知識を持っておくのとでは、その後の結果に差が生じることもあります。

詳細は弁護士にご相談いただくと良いですが、大枠については事業者自身でも押さえておくと良いでしょう。

 

会社の破産は原則管財事件として進む

 

破産の進み方には、おおきく分類して同時廃止事件と管財事件の2パターンがあります。

 

個人の方がする自己破産では同時廃止事件となりすぐに手続が終了することが多いのですが、会社(法人)の破産だとほとんどのケースで破産管財人が選任される管財事件として手続が進みます。

 

そのため会社側としては、管財人が付く前提で準備を進めた方が良いでしょう。

 

※管財人が付く場合の留意点

管財人は裁判所が選任する法律の実務家(弁護士など)であり、会社の財産を調査したり換価したり、債権者へ公平に配当したりすることを職務とする。

また手続開始後は会社財産に対する権限が管財人に移るため、会社は管財人の指示に従い情報や資料の提供に協力する義務を負う。

申立までの準備

弁護士に破産申立を依頼すると、弁護士は各債権者に対して受任通知を送付します。これにより債権者からの取立ては弁護士が窓口となり、代表者が直接対応しなくて済む状態になります。

 

この時点からは、早期に事業を停止すること、そして財産の保全に移行することが重要です。

 

申立前にやってはいけないこと

破産を視野に入ってくる以上、次の行為は厳に避けなければなりません。

 

  • 特定の債権者だけにする優先的な支払い
    ・・・金融機関や仕入先、親族など、特定の相手だけへ返済する行為は、債権者平等の原則に反する。この行為は「偏頗弁済」とも呼ばれる。
  • 財産の隠匿
    ・・・不動産や預金を他人名義に移すなどして財産を隠す行為は破産法上の罪である。詐欺破産罪で罰せられると、10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金刑を科される可能性がある。
  • 新たな借入
    ・・・返済の見込みがない状態での新規借入は、代表者個人の責任追及や詐欺破産罪などの刑事責任につながるおそれがある。

 

また、法的な禁止行為ではありませんが、「破産をしようとしていることを外部に漏らす」ことも避けましょう。安易な口外は取引先や従業員を混乱させるおそれがありますし、債権者による強引な取立てを招くおそれもあります。

 

従業員の解雇方法と未払賃金立替払制度は要チェック

 

事業停止に伴い、従業員の解雇が必要になります。

 

破産による解雇でも、原則通り「30日前の予告または解雇予告手当の支払い」が必要であることは押さえておかなくてはなりません。

 

また、金銭的余裕がなく未払賃金が発生することもあるでしょう。そのような場面では「未払賃金立替払制度」という公的な仕組みが役立ちます。
これは未払給与や退職金の最大80%を立替払いしてもらえる仕組みです。従業員の生活に配慮して、こうした制度が利用できることも伝えておくと良いでしょう。

 

申立から破産手続開始決定まで

 

申立準備が整ったら、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に破産申立書を提出します。

 

財産目録、債権者一覧、決算書、取引履歴などを示せる書類も合わせて提出することになります。

 

その後裁判所が審査し、問題がなければおおむね2週間〜1ヶ月程度で破産手続開始決定が出て、同時に破産管財人が選任されます。

 

破産手続開始決定後の流れ

 

代表者は管財人へ会社財産を引き渡し、帳簿・契約書・通帳などの関係資料も提出します。

 

その後は管財人が財産の換価等を進め、第1回債権者集会の期日が定められます(開始決定から約3ヶ月後が目安)。

 

債権者集会とは

債権者集会は、管財人が財産状況を報告する場として裁判所で開かれます。

 

財産の換価および配当が完了するまで開催が続き、財産がほとんどなければ早めに終わりますが、配当するだけの財産が残っていると複数回開催されることもあります。

 

なお、代表者は原則として出席しますし、管財人や裁判所からの質問に答える義務があります。

 

代表者個人の破産申立の可能性

 

会社が破産すると法人自体が消滅しますので、債務もそのまま消えることになります。

 

しかし代表者個人が連帯保証をしているときは保証債務が残りますので、法人破産完了後債権者から請求を受けることが考えられます。

 

この保証債務の規模によっては代表者の方も破産せざるを得ないかもしれません。そこで代表者個人の破産申立の必要性についても考える必要があります。

 

法人と同時に申し立てることでトータルの費用を抑えられることもありますし、会社の破産と併せて弁護士にご相談いただければと思います。

Staff

資格者紹介

羽鳥 修平

羽鳥 修平Hatori Shuhei / 第二東京弁護士会所属

ご挨拶にかえて

弁護士という仕事は、使命感を持っていそしむべき専門職(プロフェッション)なわけですが、その依頼者(クライアント)の求めにどう対処すべきかについては、二つの異なる考え方が有ると言われています。

ひとつは、「依頼者から具体的な求めがあったら、その求めに真正面から取り組み、そこにポイントを絞って、答えれば良い。それ以上のことをするのは、余計なことであって、弁護士を業とする者の立ち入るべき領域ではない。」という考え方で、もうひとつは、「依頼者から具体的な求めがあっても、それを鵜呑みにすべきではない。依頼者の具体的な求めは、依頼者が抱えている問題を知るための出発点として、注意深く聞くべきだが、そうした聞き取りを通して、依頼者にとって、本当に求めているものは何かを「見つけ出し」、それを依頼者に説明していくというプロセスを通して、依頼者のためにどのような法的サービスを提供すべきか決めるべきだ。」という考え方です。

私は、若い頃から、「見つけ出し」をしようとする癖のようなものがあり、先輩の弁護士から「余計な事をするな、そんなことに首を突っ込むのは弁護士の仕事ではない。」とたしなめられ、腑に落ちない気持ちを持つことが、よくありました。

その後、30年以上がたち、私も、多様なそしてそれなりの数の事案と向き合う機会を持ちました。そうした経験の積み重ねを通して、私は、やはり弁護士たる者、「見つけ出し」から出発することをこそ、重視していかなければならないと、ますます強く考えるようになってきました。

何か問題に直面しているのですか。どうすればよいか、一緒に考えましょう。どうぞ、お気軽にご相談においでください。

経歴
昭和28年7月
東京都文京区生まれ。
昭和51年3月
東京大学経済学部を卒業、同大学院経済学研究科に進学。
昭和54年10月
司法試験に合格。
昭和57年3月
司法修習を終了。
昭和57年4月
第二東京弁護士会に登録。
アンダーソン・毛利・ラビノヴィッツ法律事務所に入所。
昭和61年1月
古田・羽鳥法律事務所に参加。
平成3年9月
独立して羽鳥法律事務所を開設。

Office Overview

事務所概要

名称 羽鳥法律事務所
資格者氏名 羽鳥 修平(はとり しゅうへい)
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷3-6-9 エルデ本郷館3F
連絡先 TEL:03-3814-0527/FAX:03-3814-0537
受付時間 10:00~19:00 土日祝も対応可能(要予約)
アクセス 東京メトロ丸の内線「本郷3丁目駅」より徒歩6分、「御茶ノ水駅」より徒歩6分
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