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【大家さん向け】スムーズに家賃の値上げをするための手順やポイント

大家にとって家賃の値上げはしたいけれども、入居者との交渉を考えると億劫なものではないでしょうか。
今回は、スムーズに家賃の値上げをするための手順やポイントをご紹介します。

■家賃の値上げが可能な条件
家賃の値上げができるのか不安に思う大家さんもいらっしゃるかもしれません。
結論から述べると、家賃の値上げは正当な理由があれば可能であり、法律で認められている大家の権利です。

この正当な理由は下記の条件に該当するものとなっています。

1.固定資産税等の税金の増額
固定資産税の基準となる固定資産税評価額は3年に1回見直しされます。
固定資産税といった税金が増額した結果、大家の負担が増え、キャッシュフローに悪影響がでた場合、大家は家賃の値上げができます。

2.家賃相場の上昇
物件の周りで再開発や新しい駅の設立、商業施設の開業などで家賃の相場が上がることがあります。
このとき、借地借家法32条1項にある「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当」と認められた場合、家賃の値上げができます。

3.家賃が相場を下まわっていたとき
物件の周りの相場を調査した結果、家賃が相場を下回っていたというケースがあります。
新たに物件を売買契約や相続によって手に入れた場合には、その物件の家賃が相場よりも低い可能性があります。
このとき、借地借家法32条1項にある「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当」と認められた場合、家賃の値上げができます。

■家賃を値上げしたときのリスク
家賃を値上げできる条件に該当した場合に、実際に家賃を値上げするときのリスクもご紹介します。

主なリスクとして退去者の発生が挙げられます。
住んでいる人にとっては、家賃は低いほうがいいのはもちろん、家賃の値上げを機に違う物件に引っ越しを検討する入居者が出てくることが考えられます。

退去者が発生し、空室が増加してしまった場合、十分な家賃収入が得られずにキャッシュフローが悪化する危険性があります。

したがって、家賃の値上げは慎重に行う必要があります。

■家賃の値上げのスムーズな手順
家賃の値上げは大家に認められた権利ですが、入居者から合意を取り付ける必要があります。
そのためのスムーズな手順をご紹介します。

1.家賃の値上げの理由を説明する
家賃の値上げがその値上げ金額も含めて妥当なものであると入居者に理解してもらう必要があります。
例えば、固定資産税の増額などの場合は、いくら増えたのかを明確に示したり、家賃が「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当」な場合は条件が似ている物件の家賃が実際にいくら程度なのか客観的な根拠をもって示したりすることが必要です。

2.入居者へのメリットを提示する
家賃の値上げによって入居者が別の物件に移ってしまうのは、大家の収入が減るのはもちろん、入居者にとっても引っ越し費用や敷金、礼金など少なくない費用がかかってしまいます。

そこで、家賃の値上げに同意してくれれば、次の更新料は無料にするといった入居者へのメリットを提示することをおすすめします。
他にも共有設備を改善するなどが挙げられます。

大家と入居者の両方にとってメリットがあるように交渉を進めていくことがポイントです。

■まとめ
今回は、スムーズに家賃の値上げをするための手順やポイントをご紹介しました。
大家と入居者の双方にメリットがある家賃の値上げをすることが重要といえます。

当法律事務所の弁護士は、弁護士歴30年以上の経験と実績を生かして他にはないリーガルサービスを提供し、依頼者様第一主義で共に戦います。
相続・遺言や不動産トラブル、企業法務、訴訟問題、交通事故など様々な分野の法律問題を取り扱っており、司法書士・行政書士・税理士・公認会計士・不動産鑑定士など他士業との連携をとることで、ご依頼主様のニーズに合った解決を目指します。
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Staff

資格者紹介

羽鳥 修平

羽鳥 修平Hatori Shuhei / 第二東京弁護士会所属

ご挨拶にかえて

弁護士という仕事は、使命感を持っていそしむべき専門職(プロフェッション)なわけですが、その依頼者(クライアント)の求めにどう対処すべきかについては、二つの異なる考え方が有ると言われています。

ひとつは、「依頼者から具体的な求めがあったら、その求めに真正面から取り組み、そこにポイントを絞って、答えれば良い。それ以上のことをするのは、余計なことであって、弁護士を業とする者の立ち入るべき領域ではない。」という考え方で、もうひとつは、「依頼者から具体的な求めがあっても、それを鵜呑みにすべきではない。依頼者の具体的な求めは、依頼者が抱えている問題を知るための出発点として、注意深く聞くべきだが、そうした聞き取りを通して、依頼者にとって、本当に求めているものは何かを「見つけ出し」、それを依頼者に説明していくというプロセスを通して、依頼者のためにどのような法的サービスを提供すべきか決めるべきだ。」という考え方です。

私は、若い頃から、「見つけ出し」をしようとする癖のようなものがあり、先輩の弁護士から「余計な事をするな、そんなことに首を突っ込むのは弁護士の仕事ではない。」とたしなめられ、腑に落ちない気持ちを持つことが、よくありました。

その後、30年以上がたち、私も、多様なそしてそれなりの数の事案と向き合う機会を持ちました。そうした経験の積み重ねを通して、私は、やはり弁護士たる者、「見つけ出し」から出発することをこそ、重視していかなければならないと、ますます強く考えるようになってきました。

何か問題に直面しているのですか。どうすればよいか、一緒に考えましょう。どうぞ、お気軽にご相談においでください。

経歴
昭和28年7月
東京都文京区生まれ。
昭和51年3月
東京大学経済学部を卒業、同大学院経済学研究科に進学。
昭和54年10月
司法試験に合格。
昭和57年3月
司法修習を終了。
昭和57年4月
第二東京弁護士会に登録。
アンダーソン・毛利・ラビノヴィッツ法律事務所に入所。
昭和61年1月
古田・羽鳥法律事務所に参加。
平成3年9月
独立して羽鳥法律事務所を開設。

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事務所概要

名称 羽鳥法律事務所
資格者氏名 羽鳥 修平(はとり しゅうへい)
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連絡先 TEL:03-3814-0527/FAX:03-3814-0537
受付時間 10:00~19:00 土日祝も対応可能(要予約)
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