たとえ土地を借りる権利である借地権が存在しても、その土地上の建物の権利者は自由に自己の所有物を処分できるため、建物を誰かに売ったり貸したりすることは出来ます。
しかし、その建物を買い受けた人間も前権利者と同様に借地権を持たないことには、土地利用の法的な権限を欠いてしまうため、土地の所有者からの建物収去土地明渡請求を拒むことはできません。
これはあまりにも不合理なため、土地上の建物の譲渡には借地権の譲渡も伴わなければならないというのが常です。
借地権は地上権と賃借権とありますが、ほとんどが賃借権の場合であるためこれを前提とすると、この借地権は地主の承諾がなければ売ることが出来ないようになっています。
これは、土地を貸す側の人間からしたら、どのように土地を利用するかが分かり、土地の状態にそぐわないような下手な利用をしないという信頼関係の元で前権利者と契約を結んでいるため、見ず知らずの人間に借地権を売り渡されてはならないという思いがあるからです。
この場合にもし勝手に借地権を売ってしまうと借地契約の解除の原因にもなります。
ただし、地主の承諾がない場合には一切借地権の譲渡は出来ないのかというとそうではありません。
借地借家法19条1項には
借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
とあります。
もちろん、譲渡により新しく土地を利用する相手が土地に不利益を与える可能性があるときはこの限りではないですが、地主の許可が理由無くおりない場合にはこのような手段をとることもできます。
また、そのような場合には専門家への相談をおすすめします。
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