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強制退去の条件や流れ

強制退去とは、建物の入居者である借主が家賃滞納などのトラブルを起こした際に、貸主が裁判で建物明け渡し請求を行い、勝訴判決を得た場合に行うことができる措置を指します。

この強制退去の請求を行う場合には過去の判例により、2点の条件を満たすことが必要であるとされています。

1点目は、家賃を長期間滞納していることです。
具体的な期間は定められていませんが、判例では最低でも3か月、基本的には6か月以上が基準となっています。

2点目は、貸主と借主の信頼関係が破綻していることです。
家賃を滞納している借主が、貸主からの督促の無視や貸主との連絡が取れないといった行為により、支払いの意思がないと判断されることが必要となります。
なお、督促に応じて家賃の支払いを約束をした場合も、それを破った際には信頼関係が破綻しているとみなされます。

以下では、強制退去を執行するまでの流れをご説明いたします。

まず、借主に対して電話や手紙、直接訪問することで家賃の支払いを求める旨の呼びかけを行います。
こちらに応じない場合、連帯保証人に対しても同様の請求を行います。

次に、内容証明郵便によって未払いの家賃を支払いを求める督促とその期限を定めた通知を行います。
こちらによって支払いがなされない場合には、契約解除通知を行います。

その次に、裁判所に対して明け渡し請求の申し立てを行います。
この際に、調停による和解がなされなかった場合には、裁判によって判決が下されることになります。

判決で明け渡し請求が認められたとしても立ち退きを行わなかった場合、強制執行の申し立てを行うことになります。
これが受理された場合、裁判所から借主に対して立ち退きを求める催告状が送られ、借主に退去を求めます。
指定の期日までに、建物を明け渡さなければ、裁判所の執行官が入居者とその家族を強制的に退去させ、家財道具を運び出して強制退去が完了します。

なお、この流れにのっとらず、貸主自身が鍵を交換したり、部屋へ無断で侵入して所持品を処分するといった実力行使は罪に問われるため、行ってはなりません。

羽鳥法律事務所は、文京区本郷を中心に、豊島区、台東区、北区といった地域の皆様からご相談を承っております。
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弁護士歴30年以上の経験と実績を生かし、司法書士や行政書士、税理士、不動産鑑定士、公認会計士など他士業との連携を取ることで、ご依頼主様のニーズに合った解決を目指します。

Staff

資格者紹介

羽鳥 修平

羽鳥 修平Hatori Shuhei / 第二東京弁護士会所属

ご挨拶にかえて

弁護士という仕事は、使命感を持っていそしむべき専門職(プロフェッション)なわけですが、その依頼者(クライアント)の求めにどう対処すべきかについては、二つの異なる考え方が有ると言われています。

ひとつは、「依頼者から具体的な求めがあったら、その求めに真正面から取り組み、そこにポイントを絞って、答えれば良い。それ以上のことをするのは、余計なことであって、弁護士を業とする者の立ち入るべき領域ではない。」という考え方で、もうひとつは、「依頼者から具体的な求めがあっても、それを鵜呑みにすべきではない。依頼者の具体的な求めは、依頼者が抱えている問題を知るための出発点として、注意深く聞くべきだが、そうした聞き取りを通して、依頼者にとって、本当に求めているものは何かを「見つけ出し」、それを依頼者に説明していくというプロセスを通して、依頼者のためにどのような法的サービスを提供すべきか決めるべきだ。」という考え方です。

私は、若い頃から、「見つけ出し」をしようとする癖のようなものがあり、先輩の弁護士から「余計な事をするな、そんなことに首を突っ込むのは弁護士の仕事ではない。」とたしなめられ、腑に落ちない気持ちを持つことが、よくありました。

その後、30年以上がたち、私も、多様なそしてそれなりの数の事案と向き合う機会を持ちました。そうした経験の積み重ねを通して、私は、やはり弁護士たる者、「見つけ出し」から出発することをこそ、重視していかなければならないと、ますます強く考えるようになってきました。

何か問題に直面しているのですか。どうすればよいか、一緒に考えましょう。どうぞ、お気軽にご相談においでください。

経歴
昭和28年7月
東京都文京区生まれ。
昭和51年3月
東京大学経済学部を卒業、同大学院経済学研究科に進学。
昭和54年10月
司法試験に合格。
昭和57年3月
司法修習を終了。
昭和57年4月
第二東京弁護士会に登録。
アンダーソン・毛利・ラビノヴィッツ法律事務所に入所。
昭和61年1月
古田・羽鳥法律事務所に参加。
平成3年9月
独立して羽鳥法律事務所を開設。

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事務所概要

名称 羽鳥法律事務所
資格者氏名 羽鳥 修平(はとり しゅうへい)
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷3-6-9 エルデ本郷館3F
連絡先 TEL:03-3814-0527/FAX:03-3814-0537
受付時間 10:00~19:00 土日祝も対応可能(要予約)
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